終末医療における看取りケアは、患者にとってもその家族にとっても非常に重要な意味を持つものです。ここでは、看取りケアの対応をするナースが心がけておくべきことをまとめてみました。第一に、患者とその家族の気持ちに寄り添うことが何よりも大事です。人生の最終段階にある患者は、身体的な苦痛だけでなく、心理的な不安や恐怖を感じていることが多いです。家族もまた、悲しみや無力感に苛まれるものです。そんな時、看護師が温かい言葉をかけたり、手を握ったりと、きめ細やかなやさしさを行動で表すことで、相手は安心感を感じるものです。また、患者一人ひとりに合わせたケアを心がけることも重要です。終末医療においては、患者の身体的な快適さを保つことはもちろん、その人が持つ価値観や希望を尊重することが求められます。例えば、好きな音楽を聴かせる、好きな場所の写真を見せるなど、患者の要望に沿ったケアを行うことで安らぎを提供できます。また、患者とその家族とコミュニケーションをしっかり取ることも大切です。終末医療の際には、治療方針の選択や緩和ケアに関する決断など、重要な決定をする場面が多々あります。こうした場合には、患者とその家族の意向をしっかりと聞き取り、理解し、尊重する必要があります。同時に患者とその家族に寄り添い、安心して意思決定できるようサポートすることも看護師の重要な役割の一つです。その一方で、自分自身の感情と向き合うことも忘れてはいけません。看取りケアは精神的に大きな負担となることが多いです。時には、自分自身が感じる悲しみや無力感と向き合う必要が出てくるでしょう。そのためにも、同僚や上司と感情を共有したり、カウンセリングを受けたりと、セルフケアを怠らないようにしましょう。